独自評価 ★★★★☆(3.9)
時間、 年月が経ってだんだん過去形になりつつある東日本大震災の恐ろし さを思い出す。それだけでも観る価値があると思う。 観た後は過去形ではなくなる。
大人も子供も、みんなで観て災害について再確認してほしい。
感想
役者が豪華。色んな人が少しの役で出ていたりする。配役もいい。 安田成美が総務の人なんだけど、 常に緊張した緊迫した映像にあの声は救われる。
実話に基づいた話、とのことだけど、もう実話として観た。 映像に臨場感があった。津波とか何度もくる地震とか、 本当にこわいと思った。
遠くからニュースで見ていたけど、格納庫やメルトダウン、 ニュースでよく聞いていたワードが、 こういうことだったのかって詳しく分かった部分もあったけど、 数値がどうなるとどうだとか技術的なこととか、 私には観ていてよく分からないところもたくさんあった。
ただ、そんな専門的なことはよく理解できなくても、 現場の作業員の人たちの心情はよく分かる。実際あの時、 福島の原子力発電所では被曝も承知の上で、 命を張ったギリギリの危険なことをやってでもなんとか爆発を阻止 したいという覚悟の上の行動… 東北を日本を守らなければという使命感で頑張ってくれていた人達 がいたんだ、 内情をよく知らないわたし達はただニュースを見て聞いていただけ だったけど、命懸けで立ち向かっていた人がいたんだと、 あらためて知ることが出来た。
危険に晒すメンバーを決めろって言われる上司の人たち、 辛かっただろう。手を挙げる人挙げない人、 若手は行かせられないという年輩の人たちの気持ち、 それぞれが自分のことじゃなくて家族や同僚、 誰かのためを思ってのこと。
前田さんが残ったメンバーに明るく「写真撮りましょう」 って言って写真を撮っていたシーンとか、 伊崎さんが娘さんに宛てたメールで普段は使わない絵文字使うとか 、死を覚悟してるなって思うシーンは悲しかった。 これが決死隊ということなんだなと。
自衛隊の人、役場の人、医療関係者の人、 災害の時休む間もなく懸命に任務を遂行してくれている人たちにも 改めて感謝したいと思った。 してもらうことは当たり前のことではないということを忘れずにい たい。
そして、やっぱ見ていてイライラしたのは、 上の判断と現場の判断、優先されるのが上の判断というところ。
現場の意見がまかり通らないのは解せない!
現場の人たちってその道のプロなんだし、 その人たちが判断していることを聞き入れてくれないなら日々の現 場の仕事はなんなんだと思ってしまう。 偉い人たちには政治的考えや、 組織の仕組みとか私達には知り得ないところとかあるんだろうけど 、有事の時は一刻を争うわけで、 とりあえず現場の意見をまずは第一に聞き入れて欲しい、 と言いたい!
東日本大震災は日本人みんなが忘れてはいけないし、 これからもずっと語り継いでいくべき、 自然災害について日頃からしっかり考え備えておくべきことだと強 く思わせてくれる映画だった。
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