独自評価 ★★★★☆(4.2)
あらすじと見どころ
ある日、 スーパーで女子中学生の花音が万引きしようとしたところを店長の 青柳(松坂桃李)が捕まえる。 しかし花音は逃げ出してしまいそれを青柳が追いかけていく中、 花音は車に轢かれてしまう。 娘を亡くした父親添田は娘は万引きをしていないと訴え、 娘をしにおいやったと青柳を責め、どんどん追い詰めていく。
シリアスな内容でリアリティな話で重いけど心にすごく刺さる。 添田役の古田新太の演技と追い詰められていく青柳役の松坂桃李の 演技が見事。
子供でも見れるけど、車に轢かれるシーンはつらい。
感想
リアルに自分や周りの人にいつ起きるかわからないから、 身につまされるというか、 こうならないようにするためにはどうすべきだっただろうか、 ということばかり考えてしまう。子供を理解すること、 その子の特徴個性に対して無神経な物言いはしない、 運転は気をつけ過ぎるくらい気をつけること、 もし自分がお店の店長だったとして、 もし万引きをみつけても安全に配慮し深追いしないこと、など。
車に跳ねられるシーンがリアルすぎて、衝撃だった。本当に。 このシーンはきつい。胸が苦しくなる。
中学生の娘が、なんかもうかわいそうで…ずっとあと引く… 万引きは良くないけど、完全にあの万引きはSOSだろうよ。 担任の先生もなんか言い方が強くて繊細な子だったら心痛めると思 った。お母さんにはもう新しい家族いるし、父親はあんなだし。 心が壊れるのは必須という感じ。そしてあんな亡くなり方。。 胸が痛む。。
あの父親は、ほんともう、嫌だ。 娘が亡くなって悲しいのはもちろんわかるけど、 周りのせいにしたくなるのもわかるけど、 まず娘に対する態度がないわ。 あんな威圧的な父親になど悩みはもちろん話せないし逆らう気すら なくしてしまいそう。 また古田新太があの憎たらしくなる感じをうまく演じていてさらに ムカついていた。 なんでお母さんと暮らすことを選ばなかったのだろう。 新しい家族がいたとしてもあの父親と2人で暮らすよりはマシだっ たのではと思う。
中学生の娘も可愛そうだったけど、 いきなり飛び出してきた中学生を初めに跳ねてしまった女性も気の 毒…
その女性の母親もかわいそう。 葬儀のシーンで母親が古田新太と話すシーンがまた辛かった。 あの母親の気持ちが伝わらなかったら古田新太もう救いようない。 さすがに伝わったから良かったけれど。
あの善意の押し売りの寺島しのぶがいい人なんだけど、 悪いけどうっとうしいというか。 その辺の松坂桃李の演じ方が絶妙だったと思う。 善意ってとこまでが善意なんだろうか、と考えさせられる。
松坂桃李もスーパーの店長だったたけで、 たまたま万引きみつけただけで、人生が一変して、 気の毒ではあるけど、やっぱ追いかけるときに、もしかして、 かもしれない、を考えてなかったのは悪かった。 小さい子供を育てたことがある人だったら、 あんなに追いかけたら車に跳ねられるかもしれないということは想 像がつく。相手はまだ中学生なんだし、あの対応は良くなかった。
この映画見てから車の運転はいつも以上に気をつけている。 気をつけることで少しでも回避できる可能性があるのならやれるこ とはやる。
映画としてはいい作品。配役もいいし心にも刺さる。 でもかなり引きずる…見たあとのダメージがあるから、 心が健康な時に見た方が良い。
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