独自評価 ★★★★☆(3.7)
あらすじと見どころ
運転手として働く津田(藤原竜也) は知り合いの古本屋の店主から大金を受け取る。 しかしそれは偽札で、 津田と繋がりのある一家3人の失踪事件とその偽札とが結びついて いき、津田はどんどん事件に巻き込まれていく。 そして裏社会のドン倉田(豊川悦司)にも追われることになる。
小説家でもある津田の小説の世界と現実とが混合し、 フィクションかノンフィクションか、 頭を整理しながらじっくりと観たほうがいい。
感想
途中まで現実の世界と小説の世界とが入り混じり頭が混乱する。 前半で伏線のタネみたいなものがばーっと撒かれる。
時間軸が前後したり、視点も二つあり、 ちょっと頭をしっかり働かせながら目を凝らして見ておかないとい けない感じがある。
3万円というワードが場面場面で色んな使われ方をしていて、 何で金額が一緒なんだろうか…たまたま? と頭の片隅で気にしながら見ていたら、 この話は津田のフィクション小説の話ではなく、 現在進行形の話であるということが判明する。そうすると、 さっき撒かれた伏線のタネが急にあっさりと回収されはじめ、 先程頭の片隅で気にしていたあの3万円は全て同じ3万円であると 分かる!ここがかなりスッキリした。
そして登場人物もどんどん繋がっていって、 1人からイコールで式がつながっていくというか、 なんと表現したらよいかわからないけど、 相関図を説明するかのような感じで話が進みだす。
そこから途端に分かりやすい物語になって、 全てが分かったときはかなりスッキリしていく。
3万円も色々経由するけど、ピーターパンの本もまた色々経由し、 だからここにあるのか、とか、 秀吉が手を叩くのも何なんだろうかと思ってたら後から、 ああそういうことね!となる。
ただ、関係性が分かるまではずっとモヤモヤする。
意味がわからないまま、まあまあ進むし。
前半頑張って見たら、 中盤くらいからぐっと面白くなるという感じ。
鳩の撃退法というタイトルはなぜこれなのか謎。 鳩が偽札を指しているのは分かったけど。それと、 秀吉が妻と娘が乗った車でどこかへ急発進していくが、 あの後どうなったから最後に秀吉が津田の店を訪れることができた のか、秀吉の娘はどうなったのだろうか、わからないまま。
小説の映画化なので、 原作をどれくらい2時間の映画にまとめられたのかは気になる。
この映画、年齢制限なしとなっているけど、 制限はなくとも指導のもとくらいはつけたほうが良いと思った。 何もなしだからと思って子供と一緒に観れるような雰囲気だしては ダメだと思う。 映画館なんてもっての外と言いたくなるような子供には不向きな男 女シーンがある。
そもそも子供が見て内容も難しいし、子供にはわかりづらく、 これは大人向けな映画だと言える。
この映画が面白かったかといえば、 私はこういう展開の話は繋がった瞬間にスッキリするし、 キャストも安定の藤原竜也で問題なく、 風間くんの役どころもハマっていたと思うし楽しめたけど、 意味がわからないモヤモヤした前半を過ごすのが苦手な人にとって は受け入れにくいと思った。
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